★境港から東広島、西条へ
よく食べてる旅行だな~、と皆さんお思いでしょうか?
そうですが、でも実はそうでもなく。
18切符旅ですので、電車の移動時間がとてつもなく長い。すると、電車で食べられるものなんて、限られてくるのです。
新幹線ならば駅弁も食べられますが、ローカル線ではさすがに車内で食事をしている人がいないので、憚られます。
ま、せいぜいお酒ぐらいかなぁ(酒傾けている人も少ないが、お茶を飲んでいるふりをして?酒を飲むトマ子一行)。
だから、夕食をがっつり食べるとか、お昼をしっかりいただく以外はあんまり食べていません。
さて、そんな言い訳をしながらも次の宿泊先、広島県は西条に向かいます。広島西条、行ったことがないのでとっても楽しみ。
車窓風景をパチリ。川の水が青緑で、とても綺麗でした。山陰では雪深いところもあり、写真を撮ったつもりだったけど、あれれ、探したけど雪の写真がな~い。どこへいったのか。
それはさておき
広島西条へは、たまたま行くことになった(乗り継ぎの関係で)だけですが、調べたら昔から有名な酒造の町だってことが判明。うむ、楽しみなり。
この日は、12時24分に境港を出て、広島西条には19時14分に到着予定です。もちろん乗り継いでいきます。
今回の宿泊先はユースホステル。広島西条ユースにつくと、甘酒と手作りプチケーキが出されました。ごちそうさま~。
このユースでは、本日の仕込み水が飲み放題。さすが酒蔵のある町、お得な気分。
荷物を置いて、お腹もすいたし、夜ご飯におでかけです。
★四日市と呼ばれた大きな宿場町
え~、その前に西条の歴史を少々。
西条は、江戸時代、四日市と呼ばれた宿場町でした。多くの商家や旅籠が立ち並び、栄えていました。
さらに大名や幕府の要人が宿泊した本陣(お茶屋)もあり、当時、広島藩内に9か所あった本陣の中でも、最大の本陣が西条にはありました。残念ながら、この本陣は明治時代に取り壊されてしまいましたが、現在は復元した姿を見ることができます。
多くの要人が宿泊した四日市は、豊かで文化的な風土を持つだけでなく、龍王山の伏流水という良質な水にも恵まれていたため、酒造業が営まれるようになりました。
このような背景が、日本を代表する酒造場を生み出す要素となり、東広島市の西条は、灘、伏見と並ぶ酒処となったのです。
たとえば、賀茂鶴の酒の味は非常にすっきりとして、惜しくなるくらいキレがよい。究極まで洗練された味かもしれない と、トマ子は個人的に思うほどでした。
味が綺麗なんですよねぇ。研ぎ澄まされています。
雑味が旨みだとも考える日本酒好きには物足りないかもしれないなぁ。トマ子はどっちも好きです。
トマ子のどうでもよい感想は、いいとして・・・・・、
現在、西条駅の周りには7つ(最近、醸造場の一つ、賀茂輝酒造が廃業しました)の醸造場があります。
山陽鶴酒造
白牡丹酒造
西條鶴醸造
亀齢酒造
福美人酒造
賀茂泉酒造
です。
敬意をこめて、縦に並べて書いてみました~!
どこも歴史があって、しっかりとした酒造りをしています。オバマ大統領が来日した時に、安倍首相と飲んだのは、賀茂鶴酒造の酒でした。
★元々はまかない鍋「美酒鍋」
この日の夜ご飯は、歴史を知るべく、賀茂鶴酒造が営む「仏蘭西屋」へ行き、美酒鍋(酒と塩、胡椒のみのシンプルな味付け)をいただきました。
店内には賀茂鶴のお銚子とお猪口がずらり。
美酒鍋の野菜と肉。
↑鍋には、この瓶に入ったお酒をすべて、ドボドボと入れます。
美酒鍋は、もともとは賀茂鶴酒造の蔵人を慰労するためのまかない食でした。
終戦直後で食料がない中、当時の賀茂鶴酒造の専務が、安かった鶏の内臓と野菜を賀茂鶴の酒で煮たことから生まれました。これを外部の人に食べさせたところ、美味しいと評判になり、その後西条の名物となりました。
ふむふむ、汁気(酒)がなくなるまで野菜と砂肝や肉を炒めて食べるのですが(現在、仏蘭西屋で出している美酒鍋は当時よりもずっと豪華になっているそうです)、酒の匂いがほとんどなくて食べやすい。
東広島市のホームページでも「蔵人のまかない料理として親しまれ、酒造りの作業の合間に食べても利き酒などに影響が出ないように、あっさりとした味付けとなっています」とあります。
その他、地蛸の柔らか煮や
酒粕と梅酒梅の春巻きなども、いただきました。
お酒も~。
いい酒でほろ酔い気分。ご馳走様でした。
この日はユースで仕込み水をたっぷり飲んで、疲れていたので、早めの就寝。翌日は醸造場見学とまいりますか。
ではね~。