水木しげるさんが93歳で亡くなりました。
とても残念です。そして、悲しい。100歳まで生きていて欲しかったです。調布市が実施した水木さんの記念講演も行けてよかった。境港も行ってきました。そしてまた行こうとしていた矢先の急逝でした。
数年前にインタビューしようかと思い、企画書を出そうとまでしたのですが、なぜかその時はあきらめちゃったのですよね。
水木プロに問い合わせまでしたのに。
戦時中のご自身の体験談も何冊も本にしていらっしゃいます。そこで命からがら逃げているうちに遭遇したのが塗り壁だったとか。
子どもたちだけでなく、大人にもぜひ読んでもらいたい『のんのんばあとオレ』も良い本です。
トマ子は、水木さんの子ども時代から戦争経て、売れない頃から絶頂期、そして現在にいたるまでを書物などを通して知りました。
型にはまらない水木さんの子供時代の体験談は、小さなことでギュウギュウと押し込められそうになっている現代の子供たちにぜひ読んでほしい。
そして戦争で左腕をなくして、帰還しても極貧の中も生活して、つらいこともたくさんあったはずなのに、どこか明るくそして強い。その人間性に心を打たれました。
現地人との固い絆や、目に見えない妖怪や精霊たちの交流。
何人(なにじん)であるとか、そういう小さなことにとらわれない「人として、動物としての水木しげる」がそこにいます。
昔は夜は暗闇で、たくさんの目に見えないものたちがうごめいていました。トマ子が小さい頃にも祖母の田舎は真っ暗でしたよ。何かいそうで、とっても怖かったし、踏み入れてはいけない場所かなという気がしていました。
今は、明るくてピカピカして、目に見えないものたちも住みにくかろう。
子どもたち、そして今の大人たちに私は言いたい。
目に見えないものがたくさんあるということを。
そして、それらに耳を傾けて感じながら生きていく大切さを。
自然とは、木々や森だけではなくて、そういう目に見えないものもすべて包括しているということを。
人間もそれらと一緒に生きていく動物なんだってことを。
見えるものだけを信じずに。心だって目に見えないけど、確かにある。
それを教えてくれたのは、偉大な水木しげるという漫画家であり、作家であるということを私は言いたいのです。
ここまで書いたら涙がでてきた。
生まれ変わったら妖怪になって、日本の子どもたちにその姿を見せてあげてください。
子どもたちだって、驚くけど喜ぶと思う。
信じることの大切を、教えてくださってありがとうございます。
合掌。